福岡の音楽クリエイティブチーム・NEW TOWN REVUEがジャパニーズノーザンソウルの決定版となった『Let’s Go Meijiisan』(福岡のキャンペーンレディMI6への提供曲)の以来、初の実世界流通曲となる提供曲「Secret Touch」(星野みちるニューアルバム『YOU LOVE ME』収録)を世にはなった。彼らは今、何を考え、何をアクションしようとしているのか?根城でもある、大濠公園のレコード店PARKSを訪れ、メンバーである店主・松尾モータースとマネー野村に話を聞いた。訪れた時、店主は2000年台後半のピアノものを聞いてハイなテンションだった。
-おおっ!これはいい曲ですね〜何年代の曲ですか?
松尾:2007年かな。今、知り合いのブティックの選曲をやっていて。昔、自分でイベント用に作ったプレイリスト引っ張り出してきたら、これがまた!いいんですよ。今かかってるのは、ERKの『Swing 'n' Sway』。
マネー:その頃の時代にピアノものブームってありましたよね。メジャーだと最終的に、ダニエル・パウターとかジェームス・ブラントに行き着いたやつ。
松尾:あったね!そこに行くまでに数多くの徒花が…そういうやつのひとつね。
「自分の中にあるレゲエは、80年代の高橋幸宏や加藤和彦がやっていたインチキなヨーロピアンレゲエ。」(松尾モータース)
ーそれはそうと(笑)新たに星野みちるさんに提供された『Secret Touch』は、ジャパニーズノーザンソウルを目指した『Let’s Go Meijiisan』やダウンタウンマナーのシティポップ『cheerio』とも違って、なんとラヴァーズ!そうくるとは思わなかった。
松尾:これは、最近、私のコンセプトでもある”コスメティックなリゾート感”を目指したもので…。
マネー:最初は星野みちる嬢の初期作に近い、RA BANDみたいトラックだったすよね。
松尾:そう。だけど凡人会議のなべちゃんに個人的なごく短いラヴァーズブームが訪れて、「fishmansみたいなのやってよ」という要請がありまして。でも、私、自分の中にない、fishmans。
ーなんでカタコトなんですか(笑)なるほど、それでラヴァーズ方面にカジをきったと。
松尾:そうそう。自分の中にあるレゲエは80年代の高橋幸宏や加藤和彦がやっていたインチキなヨーロピアンレゲエ。おそらく日本で初めてレゲエに取り組んだのは加藤和彦なんだけど...彼のスノッブ趣味的な感じでね。ドラムパターンは高橋幸宏が作ったSandiiの『Drip Dry Eyes』が元になってます。
マネー:RKBラジオドリンクバー凡人会議でも2015年の初頭から散々話題にあがってますけど、いわゆるコスメポップ。
松尾:そう!私が最近、提唱している「コスメポップ」というのが結局その辺で(参照「2015年、注目しておきたい2大最新サウンド!!タウンポップ&コスメポップとは?」)。んで、クラブっぽい感じにしようと(インスタントシトロンの)長瀬くんからも提案があって、結果、vaporwaveに寄りました!
「エロスも哀愁がないとね。」(マネー野村)
ー 前回の『Let’s Go Meijiisan』のリメイク(原曲は福岡のキャンペーンレディMI6への提供曲)ではインスタントシトロン結成前に松尾さん宅で遊びで制作された〜という悪質な設定があって(笑)
マネー:悪質なって(笑)!でも、あれ結構、事実入ってるんですよ。松尾さんの家にたまってたとか。ただあの曲が昔からあったっていうのは嘘ですけどね。むしろ、昔からあったのは『cheerio』の方。
松尾:あれは1993年くらいに、INO hidefumi君とかとやってたラブライツっていうバンドがあって。そこの持ち曲だったんですよね。歌詞も言えないけど、今では超有名人のあの人が書いてるし。
マネー:それで、最初に『cheerio』を公開した後、意外とレスポンスが少なくて。すごく名曲だと思っているんですけどね。で、足りないのはストーリーなんじゃないか?という話になって。ももクロとかでんぱ組とか、SEKAI NO OWARIもそうだけど、音楽もストーリー込みで楽しむって文化が形成されてるじゃないですか。じゃあ、NEW TOWN REVUEでリリースする楽曲は架空の設定とかストーリーをつけて公開しよう!となったんですよ。
ー では、今回も設定があるんですか?
マネー:設定は〜、双子の日系ブラジル人の片割れの姉がいて。80年終わりごろに、20代で世界を放浪していて。色んな所を渡り歩いた末、ロシアやヨーロッパは寒いからっつって日本に来るんですよ。
松尾:南仏を経由してね!ポルトガル語通じるから!そしてポルトガルから長崎に来たっていう。
マネー:舶来みたくなっちゃった(笑)
松尾:いろんなところで恋をしてね。シャンソン的な。
マネー:そして、日本で結核にかかって、若くで亡くなって。
松尾:そして、遺体を受け取りに来たブラジルの双子の妹が、姉が歌入れしながらも完成されていなかったデモを聞いて「私が歌います!」とね。ドラマがあるね(笑)。
マネー:そういう、エロスもあり、リゾート感もあり、異国に来た人の望郷の念もあり…
ー だんだんそういう曲に聞こえてきました(笑)!
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